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こちらはオリキャラRPGに関する特設ページです
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小話 というかセッカ兄ちゃんの独り語りです
人に向けてる独り言だけどまぁ一応浮島設定に関わる話・・・?
セッカは私の中で宗教家なのです
一応にまめの許可はとってますがまぁ浮島こんな感じです









手を離してくれねえか?
いやお前に言ってんだよお前。
いい子だからそれから手を離してくれ。それはまだ収穫の時期じゃないんだからよ。
まぁな。その実はうちで管理してるんだ。実が欲しかったら何かそれに見合ったもんと交換だ。
適当に熟れてるやつ持ってきてやるからよ。
そう、それでいい。

謝らなくていいさ。
果実が実ってたら採りたくなるのは人間の性だろ。
桃の木の下で冠を直すな、瓜畑で靴紐結ぶな。
ましてやこんな奇妙な島の奇妙な実なら尚更だ。
お前ら、下の人間だろ?客とか本当に久しぶりだよ。
こんな何も無い島に来たとは物好きだな。まぁ歓迎してやるよ。
俺はセッカ。セッカ・サシェット。
あー?お前らシュシュの奴知ってんのか?
なるほどな。シュシュもアイも最近はよく下降りてるからな。
あぁそうだよ。シュシュは俺の妹で、俺はシュシュの兄貴ってこと。
何だよその顔。鏡見せてやろうか?すげぇ笑えるぞ。
いや間違いない。あいつは俺の妹だ。姉じゃない。
あー、そうか。お前ら下からの人間だったな。
俺は25歳だよ。全くそうは見えないけどな。
若い姿で何百歳ってやつよりこのくらいリアルな年齢の方が違和感感じるのは何でなんだろうな。
いやそんな複雑な話じゃねぇよ。
9歳のときから身体が成長するの忘れてるだけだ。
身長も伸びなかったし声も低くならなかった。
筋肉も付かなかったし骨も細いまんまだ。
まぁ皮は剥けたけどな。
不老不死とかそんなんじゃないな、多分。
成長はしないけど老いはする。
俺はきっとこの姿のままで、オッサンになって、爺さんになって、死ぬんだよ。
なんでかって、そりゃ樹が俺にそう生きるよう定めたからだろうよ。
子供の姿のままで一生を生きろってな。
お前ら島の奴らのことは知ってるか?
能力?そんな格好いいもんじゃねぇよ。
シュシュは外に出ると空が晴れる。
アイは悲しくなると雨が降る。
俺は……。空を見てみろよ。
雲で自由に形を作ることが出来る。
なんの役にも立たない単なる特技だ。
俺は自分の身体もこれの延長だと思ってる。
島の奴らがもってるちょっと変わった特徴だってな。
楽しそうに見える、か。
今のはあまり使わない方がいい言葉かもしれないな。
お前だったらこの姿で一生送りたいと思うか?
肩を並べてた幼馴染にどんどん追い抜かされて、妹に見下ろされて。
おまけに下じゃ行動するのも酒を飲むのも一苦労。女だって抱けやしない。
そんな身体お前は楽しそうって言葉で片付けるのか?
いいよこれは単なるグチだ。
俺だけじゃない。
誰にも名前を覚えて貰えないやつ、力のせいで無理矢理ダンナと別れさせられたやつ、親に捨てられたやつ…。
不幸自慢するつもりはねえけど一長一短だよ。
俺達だって喜びも、悲しみもあって生きてんだ。
下と何も変わんねえよ。

お前ら、ここに来る途中で立て札見なかったか?
そうそれ。「ここから先立ち入り禁止」。
そっか。行かなかったか。
その方が懸命だな。
あの先に何があるのか教えてやろうか?
ビビらなくても平気だって。
あそこにあるのはな……ウロだよ。樹のウロ。
だからビビらなくてもいいって言ったじゃねえか。
いやぁ、それでも行くのはオススメしないな。

なぁ、この島に無いものって何だと思う?
そんな難しいこと考えなくていい。シンプルな解答を期待する。
確かにこの島には下には無いものだらけだ。でもな、一番の大きな違いがあるんだよ。
答えは、権力だよ。
王様、皇帝、殿様、将軍、そういうのはこの島にはいない。
権力とか身分とかいうのがこの島にはないんだ。
だから下の話を聞いてると時々すげー違和感を感じるんだ。
あと、政府とか裁判所とかそういうのもない。
そして遵守するための決まりもない。
いや、たった一つだけあるな。簡単に言えば「樹の意志に従うこと。」
これがたった一つの浮島でのルールだ。
そうだよ。樹は喋らない。
怒らないし泣かないし人格もない。
どっかのホラ吹きが樹の精霊だとか嘯いてたが樹には精霊とかゴーストとかそういうのはついてない。
でもな、樹は意志を持っているんだよ。
その意志に基づいて樹が唯一出来ること、それは生み出すことだ。
その樹の意志によって作られたのがこの島の土地であり、大気であり、この島の住人なんだ。
この島の奴らは樹によって生み出されたものであって、それを構成する全ては樹の意志の元に定められて作られている。
この島の住人に痣があるのはその為だ。
製造番号とか印とかそんな感じだな。
樹の意志によって生まれた自分たちは樹の元に平等である。そして樹の意志を遵守して生きなければならない。
……っていうのが昔からの教えだよ。
今もこれを信じているやつもいるし、いないやつもいる。
まぁ自分の力が不便でもくよくよして生きるなってことだよな。
そう、これまでは前提。話はここからだ。
下では罪を犯した人間はどうなる?
だな。下では人間が人間を裁くのが当たり前だ。
だけど浮島ではそうじゃない。

今から20年くらい前かな。
島で人殺しが起きた。
事情はガキだったしよく覚えてない。
確か男が好きだった女を取られたとかそんな感じだった気がするよ。
男は下に逃げようとしたがそんなこと許されるはずはないよな。
簡単に捕まって、裁きを受けることになった。
さっき言ったよな?人は人を裁けない。じゃあ誰が男を裁くんだ?
樹だよ。
樹に作られたものは樹が裁くんだ。
あの立ち入り禁止の所にはさ、ウロがあるって言っただろ?
ウロって言ってもこのでっかい樹のもんだ。深さは相当なもんがある。
多分中には樹液とか雨露とかたまってるんだろうな。
もう解るよな?
罪を犯した人間はそこに投げ込まれるんだ。
樹が罪無しと判断すればそいつの罪は浄化されいつの間にか島に戻ってきてる。
罪有りと判断すればそいつはウロの中で朽ち果てて虫の姿となって外に出る。
樹は島で起きたことを全て知っている。
樹の判断はどんな裁判よりも公正で絶対だ。

許してくれ許してくれって泣き叫ぶ男に大人たちは悲しそうな目で言ったよ。
「樹の慈愛がお前に向けられますように」
そう言って……ドン。
男の叫び声は樹に吸い込まれてすぐに聞こえなくなった。
そいつがどうなったのかはガキの俺には知らされなかった。
ただ、今でも覚えてるよ。
ロアんちで山羊と遊んでとき、真っ青な空に血で染め上げたようなでっかい蛾が飛んでたんだ。
目の見えないあいつにも解ったんだろうな。
「あの人には慈愛が与えられなかったんだ」
そう言った。


お?暗い顔してるな。
嫌な話聞いちまったと思ってるだろ。
でもな、これがこの島なんだよ。
お前らがもしもアイとかシュシュとかと関係作ってって欲しいなら、聞いといて損はないと思う。
あいつらも、樹の意志で生み出された樹の子供なんだからよ。
…面白いこと聞くな。
じゃあ逆に聞くがお前らはこの世界が滅びるときはどうしたい?
世界を捨てても生きていきたいか、世界と共に滅びたいか。
俺にとってはこの島が、この樹が世界の全てだ。
枯れて滅びるときは一緒に消えてやるよ。
ま、若い奴らまでそうしろとは言わねえけどな。
余計な心配しなくても樹は枯れたりしねえから。
今の質問ジジイやばばあに言ったらぶん殴られるぞ。
あぁ、もう行くか。ならこれやるよ。
樹の恵み。お前らにも恩恵が与えられるかもしれないぞ?
遠慮するか。じゃあいいや。シュシュとアイをよろしくな。
またな。


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