完全な芝居で信じさせてよ嘘などないと思い込ませてくれ

「いいか、プラム。世の中には嘘つきとそうじゃない人間がいる。解るか?」

「うそつきとしょうじきな人ね」

「違うね。嘘つきとホラ吹き。世の中にはその二つしかいねえんだよ」

「わたしはうそなんかつかないわよ」

「んじゃ試してみようか?今から俺様の質問にはいかいいえで正直に答えろよ」

「はーいっ」

「お前の名前はプランタンだ」

「はいっ」

「今御年25だ」

「いいえ」

「俺様こと郵便屋プラナリタを世界一尊敬している」

「んーーー…はいっ」

「いい答えだ。んじゃお前は、次に、いいえと言う」

「は…??…………いい……!!こたえられないわよ!」

「ほらお前も嘘つきだ。正直に答えるって言ったのは嘘だったなぁ」

「もう!ラーナのいじわる!きらい!!」

「ほうらまた嘘ついた」




「なぁプラム。世界には嘘つきとホラ吹きしかいねえんだよ。
愉快目当てで事実とは違うこと言うのはホラ吹き。それ以外は皆嘘つきだ」

「ラーナはどっちなの?」

「俺様は悪意で事実とは違うことを言う」

「いちばん悪いと思うわ。ね、プラタ」

「世の中には俺様よりタチ悪い嘘つきがゴロゴロいるからな。気をつけろよ」

「そうかしら」

「そうなんだよ。笑顔で握手差し出してその手に画鋲刺してくるやつとか
道端で物乞いの振りして善意で手差し延べたらその手に画鋲刺す奴とか
仲良いチームメイトのふりして靴ん中に画鋲入れる奴が
世の中にはゴロゴロ居るってわけ」

「そうかしら。しんじられないけどな」

「人間腹の奥は見えねえんだよ。発言からじゃ何も解んねえ。
プラム、お前はこれから郵便屋になるんだよな」

「なるわ。ラーナみたいな郵便屋に」

「郵便屋は便利な生き物だからな。
利用するやつも悪用したがるやつも騙そうとするやつも色々いる。用心してろよ」

「・・・あまりしんじたくないわ」

「それでいい。俺様のいうことだって信じることは信じればいいし信じたくねぇことは信じるな
俺様は嘘つきで、平気でお前にだって嘘ついてるしな」

「うん、そうするわね。ねぇラーナ」

「んだよ」

「じゃあ本気の言葉はどうやって解ればいいの?」

「そんなの自分で考えな。
目の前の人間の発言が本心か、嘘で固められた言葉か、
そんなのはお前が状況に応じて考えて判断するしかねぇんだよ。
俺様に頼るな」

「考えてもわからなかったら?」

「そんときゃお前にとって一番都合いいように受け取りな。ただし騙されるの覚悟でな。」

「わたし、だまされるのは嫌よ」

「そうか?愛したヤツに愛されてもないのに愛してるって言われるのは案外幸せかも知れねぇよ?」

「ラーナのお話は溶けたチーズみたい。
ぐるぐるごちゃごちゃしてよく解らないわ」

「しっかり噛み締めて考えな。栄養価は高いからな」

「わかった。がんばるわ」

「先代郵便屋の為になる話忘れんなよ」

「ねえラーナ」

「んだよしつけえな」

「ラーナはわたしのこと好き?」

「嫌いだよお前なんか」

「ラーナは嘘つきね」

「良く解ってんじゃねぇか」




先代郵便屋と郵便屋見習いの戯言
こいつに育てられてくせに全然似てないのはよいことではないでしょうか
先代は今どうしているのか
ランがあんな風に人恋しくて泣いてることを考えるとコンタクトは取れてなさそうだ
郵便屋の行くことが出来ないくらい遠くへ行ったか
別の人間になってしまったか
寝てるか世界と溶け合ってしまったか
一筋縄ではいかない人なんでランを泣かせてても自身はひょうひょうとしてそうだ
ちなみにこのプラタは狼のプラタ君2歳ではありません。先代のパートナーの偶蹄目です
名前受け継いだのね

はい、超自己満足でした（逃